澪の気まぐれブログ

ただのオタクがアニメの感想をただただ語るブログ

本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~

ついに終わってしまいましたね。
本好きの下剋上はコロナ渦でいくつかのアニメが放送中断になる中、毎週放送されていたアニメの一つで、一週間の唯一の楽しみと言っても過言ではありませんでした。


子どもが主役のアニメのようだし本当に面白いのだろうかと見始める前は少し敬遠していたのですが・・・それは杞憂に過ぎませんでしたね。


主人公マインの設定そのものはありきたりというかなんというか、所謂転生モノではあったのですが、本に目がなく本を作るためなら文字通り手段は選ばない芯の強さは清々しいくらいです。
そう言った意味でとても目新しい作品だと思いました。


実際に自身が転生したとして、何もない土地でやっていけるだろうかと考えましたが、物がどう出来ているのか、何から作られているのか全く理解していない無知な自分には到底マインのような生き方はできないなと感心を覚えます。
そう考えるとマインは本に対する知識だけではなく、料理や裁縫、日用品などへの知識も豊富で、そんなマインだからこそ転生後の世界でもあれほど活躍できたのでしょうね。
異国の文字を覚えるのが早かったり、計算力が高かったり、マイン自身も相当ハイスペックだったのでしょう。うらやましい限りです。


そんな本好きの下剋上は魔力といったファンタジー要素を織り交ぜつつも、とても勉強になるアニメだったなと感じます。
マインは植物紙の本を作るまでに石板、木簡、粘土板を作製していましたが、木簡は扇子の元になったとも言われているメモ帳のような木の札ですね。


色々なトラブルに巻き込まれながらもマインの中にあるのは常に本を読みたい、作りたいという欲求だけ…。その欲望を叶えるためにひたむきに進み続けた結果として今の生活があるのはひとえに周りの人間に恵まれたからだと言わざるを得ません。
どんな悪意にさらされようと助けてくれる人たちがいるのですからマインは果報者ですね。


そんなマインのセコム筆頭はやはりルッツですね。彼が居なければマインが本を完成させる日は来なかったのではないでしょうか。
随分といいように使われている気がしなくもありませんが、ルッツ本人が喜んでやっていることなのですから何も言うことはありません…。
ルッツは将来必ず良い男になることでしょう。


二人目はベンノさんですね。マインの価値にいち早く気づき、マインを導く指導者のような役も担っているベンノさんは本当に苦労されたことと思います。あんな自由奔放で常識外のことを次々とやってのけるお転婆娘の御守りだなんて彼の苦労がうかがえます。
マインはギルベルタ商会でルッツとベンノさんと共にやっていくのだと思っていたのですが、そうは問屋が卸さないといったところで・・・


三人目のセコム、神官長フェルディナンド様登場です。立場上公にマインを守ることができないというのは理解していましたが、厳しい物言いでも陰でマインを気遣っている様子も窺えるのでどうにも憎めないキャラですね。特に最後のトロンベ討伐では、神官長がシキコーザを激しく叱責する様子を見て、彼はこんなにも人間味のある人だったろうか・・と疑うほどに格好良く感じ、神官長の株が急上昇してしまいました。自分チョロすぎです。


彼らセコムたちを束ねる初代セコムは何と言ってもギュンターさんでしょうね。
娘たちを溺愛するだけでなく、娘のために自分の命さえも惜しくないという父親の鏡で、家族思いの一言では済まない程情の厚いお父さんです。お嫁さんのいるオットーさんにまで嫉妬している姿は可愛らしくもあります。
あ、オットーさんは途中から完全に空気でしたね。はじめあんなにもマインに影響を与えた人物であったのに…。


マイン自身が持つ魅力と、周囲の人の根の優しさにより、マインはどんなトラブルも乗り越えて周囲との関係を少しずつ良いものにしていきます。
マインはきっとこれからも図書館を作り司書になるという夢のために日々邁進していくのでしょう。


マインのこれからの活躍が楽しみです。